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北上川の穏やかな流れがほど近い、盛岡の静かな住宅街。
かつて駅近くで多くの食通を虜にし、数々の賞に輝いてきた名店「Ristorante SHIKAZAWA」に行ってきました。

店内に足を踏み入れると、そこにはわずか6席の贅沢なカウンター空間が広がっています。
木製の温もりと洗練されたモダンさがある空間です。

「The Tabelog Award」や「ゴ・エ・ミヨ 3トック」といった華々しい実績。
この日はコースにワインのペアリングをお願いしました。
まずは泡で乾杯。

料理は岩手の食材をたっぷりと使ったメニュー。
まずは「折節」から。ウドのシャキッとしたサラダに、新玉葱の甘みがとろけるムース。

その上に乗った瓶ウニの濃厚なコクが、桑茶パウダーのほのかな苦みで引き締まります。

一口で春の香りがパッと広がる、完璧なスタートです。

続くスープ。盛岡・サンファームの青林檎を、名水「青龍水」で煮込んでオリーブオイルで乳化させたもの。
林檎のキュンとする酸味が、お水とオイルだけでこんなにまろやかで奥深い味わいになるなんて!素材の力を信じ切った一皿ですね。

さらに「三陸ガストロノミー」として登場した帆立。

貝柱のピュアな旨みが凝縮されたスープに、キャビアの塩気が重なり、海そのものを味わっているような贅沢感に浸れます。


中盤の「ジオラマ」は、まさに大船渡の情景を切り取ったかのよう。

毛蟹の身の甘さと、野生の三つ葉の力強い香りが絶妙にマッチ。
昆布のジュレやカリフラワーのクリームが層を成し、カリカリのマツモが心地よいアクセントになっていて、食べるのがもったいないくらい美しいんです。

合わせるワインも面白くて、新しい発見がたくさん。
続いては、「山菜」。
美しい器の中には色鮮やかな山菜がたっぷり。
この日はお客さんがわたしひとりでしたが、シェフやソムリエさんとの会話も楽しい。
まったりと落ち着く空間です。
「蜂の巣と南部鉄器」。
短角牛のハチノスをソテーし、八幡平のバジルや白神山地のパクチーと合わせた一皿。
南部鉄器で仕上げられた野菜のラタトゥーユは、お塩だけとは思えないほど野菜の濃い甘みが引き出されています。

印象的だったのが「ほやカレー」。
行者ニンニクを包んで揚げたホヤは、特有のクセが旨みに変わり、スパイス香るブロッコリーのソースと相性抜群。
レモングラスの香りと花山葵の刺激が追いかけてきて、「ホヤってこんなにオシャレでおいしいの?」と新しい発見がありました。


「山形村短角牛」は驚くほど柔らかく煮込まれて、とろける美味しさ。濃厚な旨みたっぷりです。

添えられているのはサフランで香りづけされたアスパラのリゾット。

お魚料理の「あいなめ」は、薬膳茶の優しい香りと春野菜の苦みが、ふっくらとした身の甘さを引き立てていて、体が喜ぶような美味しさ。


シェフの調理を眺めながら楽しめるカウンターはやっぱり楽しいですね。
お肉料理は「花巻石黒農場ほろほろ鳥」。
皮目はパリッと焼かれ、身はジューシー。
発酵トマトの深い酸味が、ほろほろ鳥のジューシーで力強い肉質に寄り添います。


最後を締めくくるのは、意外にもシンプルに名付けられた「豆腐」。

全てのコースを通して、岩手という土地のエネルギーをたっぷり受け取った後のこの静かな終止符に、シェフの美学がギュッと凝縮されていました。
イタリアンの技法をベースにしながらも、既存の枠にとらわれないイノベーティブな手法で、岩手の魅力を最大化させています。
カウンター越しに繰り広げられるライブ感、細部までこだわり抜かれた器、そして温かいホスピタリティ。盛岡という地で、岩手を信じ抜き、磨き上げる。ここには、わざわざ旅をしてでも訪れる価値のある、本物の贅沢がありました。
また遊びに来たいです、ごちそうさまでした!
Ristorante SHIKAZAWA (イタリアン / 仙北町駅)
夜総合点★★★★☆ 4.0



























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