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神田駅南口から歩いてわずか2分。賑やかな駅前の喧騒を抜け、日銀通りからふわりと一本路地へ入ると、そこにはまるでタイムスリップしたかのような光景が広がっています。
1927年(昭和2年)創業の老舗おでん屋「尾張家」。
一歩足を踏み入れれば、そこは古き良き昭和の世界。
お店の中央に鎮座する大きなおでん鍋を囲むカウンター席は、長年愛されてきたお店特有の、温かく深い「味わい」を醸し出してくれています。


おでんの前にまず楽しんでいただきたいのが、豊洲市場から仕入れる鮮度抜群のお刺身。
赤貝と子持ち昆布の二種盛りをいただきました。
お酒のあてに最高なのが子持ち昆布。厚みのある昆布にびっしりとついた魚卵のプチプチとした弾けるような食感が心地よく、噛みしめるたびに溢れ出す旨みがたまりません。
赤貝は、見るからに艶やかで身が厚く、口に運べば磯の香りがふわっと広がります。コリコリとした力強い食感の後にやってくる濃厚な甘みは、鮮度の良さそのもの。

お刺身を堪能した後は、いよいよ主役のおでんです。
素材の良さを最大限に引き出す、透き通った関西風の薄味仕立て。看板メニューの「とうふ」は、内神田の老舗『篠崎豆腐店』のものを使用。一般的なおでんの豆腐のイメージを鮮やかに裏切ってくれます。
熱々の豆腐の上には、鰹節、ねぎ、そしておぼろ昆布がこれでもかというほど「てんこ盛り」に。まるで贅沢な冷奴を熱々のお出汁でいただいているような感覚です。

練り物も一切の妥協がありません。豊洲市場で自社製造している『石澤』のものを使用しており、野菜たっぷりの「がんも」や、弾力と出汁の染み具合が絶妙な「ちくわぶ」など、基本のメニューも一線を画す美味しさです。


もう一つの主役が、ファンも多い「ロールキャベツ」です。お箸でスッと切れるほどしなしなになるまで煮込まれたキャベツは、もはや出汁と一体化しています。
中の挽肉は、築地の銘店『日山』の牛挽肉。その濃厚な旨みが、あっさりとした出汁と重なり合うことで、奥行きのある深い味わいを生み出しています。


あらかじめ3つに切り分けて提供されるという、老舗ならではの細やかな気遣いも嬉しいポイント。一口サイズで頬張れば、キャベツの甘みと肉汁が口いっぱいに広がります。


神田の裏路地で、昭和の空気感に浸りながらいただく上質なおでんと新鮮な魚介。お一人様でカウンターに座り、おでん鍋の湯気を眺めながら一杯やるのも良し、大切な方と奥のテーブル席でゆっくりと旬を味わうのも良し。
ごちそうさまでした!














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