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食通たちの間で「もう予約が取れなくなっている」と話題のエリア、世田谷・松陰神社前。
そんな落ち着いた住宅街に、また一つ、凄まじい熱量を持ったお店が誕生しました。
その名も、「KANTA」。
店内は、調理場をぐるりと囲むL字型のカウンター6席のみ。

清潔感あふれる白木のカウンターは、まるで割烹のような凛とした空気感があります。

店主の神田シェフは、若干31歳。京料理の老舗で3年、日本を代表するフレンチ「NARISAWA」で6年、そして予約困難な中華の名店「WASA」で2年。さらに独立準備期間には「Lien」や「merachi」でも研鑽を積まれたという実力派。
コースは10品ほどで16,500円。ピータン豆腐 パニプリ。
インドのストリートフード「パニプリ」を器にする遊び心!中にはムース状に仕立てられたピータン豆腐。
パリッとした軽い食感のあと、ピータンの独特のコクとハニクリ(ハニーナッツクリーム)の甘みが重なり合い、一瞬で食欲に火がつきます。


玉ねぎと薩摩エビのポタージュ。

白子のコクを重ねたなめらかなポタージュ。一口含むと玉ねぎの純粋な甘みが広がり、そこに大葉ソースの爽やかな輪郭が重なります。

アオリイカとカラスミの冷製ビーフン。冷たく締められたビーフンに、アオリイカのねっとりとした甘みが絡みつきます。
カラスミの塩気が全体をドレスアップし、噛むほどに海の旨みが溢れ出す。油分が控えめで、素材の輪郭がくっきりと浮き彫りになる設計に、シェフの「引き算の美学」を感じました。

特製棒棒鶏(バンバンジー)。
しっとりと瑞々しい鶏肉に、レバーのコクを加えた特製タレ。乳化の美しさはまるでフレンチのソースのようですが、味わいは紛れもなく、力強い「最高峰の中華」なんです。

メジマグロと大根。脂の乗ったメジマグロを、大根と柚子のソースでさっぱりと。

和の情緒を感じさせつつも、温度管理が徹底されており、口の中でマグロがとろける瞬間の香りの立ち方は計算し尽くされています。

セリとスッポンの春巻き。揚げたての「ザクッ」という快音。

米粉の皮は驚くほど油切れが良く、中のスッポンから溢れる滋味深いゼラチン質と、セリの青い苦味を包み込みます。
黒豚肩ロースの紹興酒煮込み。鹿児島県産・南州黒豚の力強さを活かしたメイン。

紹興酒の芳醇な香りが染み込んだお肉は、お箸で解れるほど柔らか。添えられたなめらかなジャガイモのペーストが、ソースの旨みを余すことなく拾い上げ、口の中で完成する幸福感。

ここからが神田シェフの真骨頂。中華鍋が火を吹き、まるで炒飯を作るようなダイナミックな動きでパスタが仕上げられます。

毛蟹のペペロンチーノ。
蟹の甘みとトマトの酸、そこに青梗菜のシャキシャキ感が加わり、香りと余韻はしっかり「中華」。高火力で乳化されたソースの濃度が絶品!

麻婆豆腐。痺れよりも「香りとコク」で食わせる王道。

肉味噌の旨みが凝縮されており、これはもう、白飯が止まりません。
鹿児島の鶏飯。最後はシェフのルーツ、鹿児島の郷土料理。
澄み渡る鶏スープが、お腹いっぱいのはずの胃にスッと吸い込まれていきます。

ヨーグルトアイス(愛媛の「あいか」)。
柑橘の爽やかさでリセット。
自家製ティラミス(紹興酒クリーム)。紹興酒の香りがふわりと抜ける、ここだけの味。

甘すぎず、お酒の余韻に浸れる大人の締めくくりです。
19時一斉スタートで、最後の一皿が終わる頃には23時。
ゆったりと流れる時間の中で、一品一品と、そしてシェフの情熱と向き合う時間は、何にも代えがたい贅沢なひとときでした。
ごちそうさまでした!


















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