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京都には数え切れないほどの名店がありますが、「ロケーション」「味」「歴史」のすべてが揃っている場所となると、実はそう多くはありません。
「料庭 八千代」は、まさにその三拍子が揃った稀有な一軒。
場所は、南禅寺の参道に面した一等地。春は桜、秋は紅葉で賑わうインクラインのすぐそばという、散策の合間に立ち寄るには最高の立地なんです

歌舞伎の桟敷席を模した掘りごたつ席や、お庭を間近に感じる座敷席など様々。
開放感あふれる空間で、歴史ある庭園の空気を肌で感じられます。
「料庭」という名の通り、京都を代表する伝説的な庭師「植治(うえじ)」こと小川治兵衛の手による庭園が、私たちを迎えてくれます。
南禅寺といえば、やっぱり「湯豆腐」。
今回いただいたコースには、季節感あふれるお料理がずらり。
京都は古くから質の高い地下水に恵まれた土地ですが、八千代さんでは昔ながらの井戸水を使い、その日の分だけ手作りされたお豆腐を提供されています。
土鍋の蓋を開けると、ふわりと立ち上る湯気。

利尻昆布のみで煮たお豆腐は、きめ細やかで真っ白。

口に運ぶと、大豆の甘みと香りが優しく広がります。

そして、味の決め手となるのが、こだわりの「お出汁」です。
毎朝、その日に必要な分だけ、利尻昆布と削り節で丁寧に引いたお出汁。そこから作られる「濃口湯豆腐のたれ」が、もう絶品なんです。

少し濃いめのお出汁がお豆腐の淡白な味わいを引き立てて、いくらでも食べられそうな美味しさ。これが老舗の技なんですね。

南禅寺の参道という賑やかな場所にありながら、一歩中に入れば静寂と伝統の美が広がる「料庭 八千代」。
お庭を眺めながら、丁寧に作られた湯豆腐をハフハフと頬張る……。そんな「ザ・京都」な体験をしたいなら、ここは間違いのない選択肢です。
ごちそうさまでした!







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