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新宿三丁目の駅から歩いてわずか2分。賑やかな通りを一本入ると、蔦に覆われた趣のある建物が姿を現します。そこが昭和26年創業の老舗「どん底」。
名前の由来は、ロシア文学の巨匠・ゴーリキーの戯曲『どん底』から。創業当時はバラック小屋からのスタートだったそうで、まさに名前通りの場所から始まったストーリー。けれど今では、その名は「新宿の文化の象徴」として、多くのファンに大切に守られています。
店内に入ると、まるでタイムスリップしたかのような感覚に陥ります。使い込まれた木のカウンター、飴色に輝く柱、そしてどこか懐かしい照明の灯り。この空間で、かつて三島由紀夫や黒澤明といった名だたる文化人たちが、夜な夜な芸術や人生について語り明かしていたかと思うと、背筋が少し伸びるような、でも包み込まれるような不思議な高揚感があります。

どん底を訪れたら絶対に外せないのが、名物の「ミックスピザ」です。こちらのピザは、いわゆるイタリアンの薄いクリスピータイプとは一線を画します。運ばれてきた瞬間、その圧倒的なビジュアルに驚くはず。生地が見えないほどたっぷりと盛られた黄金色のチーズ!
一切れ持ち上げると、ずっしりとした重みを感じます。口に運べば、濃厚なチーズのコクと旨みが一気に広がり、「これぞお酒のためのピザ!」と納得する美味しさ。
「白レバーのなめらかパテ」。
驚くほどなめらかな舌触り。レバー特有の臭みは一切なく、上品な脂の甘みが口の中でとろけます。これをカリッと焼かれたバゲットに乗せていただけば、最高のおつまみになります。

ピザ以外にも、お酒好きの心を掴んで離さないメニューが揃っています。「マッシュルームのブランチャ」。
「ブランチャ」とはスペイン語で鉄板焼きのこと。ぷっくりと膨らんだマッシュルームから溢れ出す熱々のスープと、ガーリックの香りがたまりません。シンプルだからこそ、素材の良さが際立つ一品です。

「どん底」の魅力は、その歴史や料理だけではありません。
老舗でありながら、初めて訪れる人をも温かく迎え入れてくれる「懐の深さ」があるのです。重厚な雰囲気なのに、どこかカジュアルに楽しめる。この絶妙なバランスこそが、70年以上も愛され続けている理由なのでしょう。
ごちそうさまでした!








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