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代官山の路地を少し奥へ進むと、印象的な外観が見えてきます。
「L’eclaireur(レクレルール)」は、薪火を中心に据えた“循環型フレンチ”。
白を基調とした美しい空間。薪火のパチパチという音がBGMのように心地いいです。
この日はランチでお伺いしました。
まずは泡で乾杯。

一皿目は、フランボワーズとライチ。
ひと口目から、まるで香水のように果実の香りがふわっと広がります。
フランボワーズの酸味とライチの甘みが重なって、可憐なのに印象的で、まさに“はじまりの合図”という感じでした。
ホタテ貝をまるごと使った一皿。帆立の火入れが完璧。表面は香ばしく、中はふっくらジューシー。
黒トリュフの芳醇な香りが全体を包み、ベーコンの塩味がアクセントに。
パセリのソースが彩りを添え、味も香りも多層的にまとまっています。
薪火の熱でわずかにキャラメル化した帆立の甘みが、本当に美味しい。
ワインはペアリングでオーダーしました。

続いて、まるごとりんごを使い、周りにはグリーンが散りばめられたアートな一皿。
ブーダンノワールの濃厚な旨みに浅利の潮の香りが重なり、りんごの酸味とバジルの香りが抜けていく。
ひと口ごとに景色が変わるような構成で、重厚なのにどこか軽やか。
ひと口ごとに景色が変わるような構成で、重厚なのにどこか軽やか。
林檎を器になっていて、エディブルフラワーが散りばめられています。香りと食感のバランスが見事でした。
ワインのチョイスも素晴らしく、はじめて出会うものばかり。
お店のスペシャリテ、京都鰯 × 三陸ムール貝 × 大葉 × 古代米。

鰯の身はふんわり。
ムール貝の旨みと大葉の清涼感が一体となって、後味がとても爽やかです。
古代米のプチプチした食感もアクセント。
薪火で炙られた香りが全体をまとめ、日本の四季を感じさせるような一皿でした。
このワイン、めちゃくちゃ好みでした。

続いては、雲子 × コーヒー。この組み合わせには思わず唸りました。白子のまろやかさに、コーヒーの苦味と黒文字のハーブの香り。
甘・苦・香が織りなすコントラストが絶妙で、余韻がとても長い。
薪火の熱でふわっと温められた白子が、まるでクリームのように舌の上でとろけます。
今まで出会ったお料理の中でもベストに入るくらいな衝撃でした…!


ふっくら焼き上げられたすずきに、泡立つシャンパンソース。
口の中でシュワッと広がる酸味と、魚の旨みが心地よく調和します。

薪火の香りは控えめで、素材の繊細さを引き立てる存在に。
軽やかで、コースの流れの中に美しい“呼吸”を作っていました。
軽やかで、コースの流れの中に美しい“呼吸”を作っていました。
メインに向けてワインは赤。
メインは堂々の存在感。
鴨の皮目はカリッと香ばしく、脂はとろけるようにジューシー。
鴨の皮目はカリッと香ばしく、脂はとろけるようにジューシー。

噛むたびに“火の記憶”が香り立つようで、薪火の真髄を感じました。
最後はふんわり軽やかな甘さでフィニッシュ。
サクサクのパイに苺の酸味、栗のペーストの甘みが重なって、優しい余韻が広がります。

ペアリングは、白・赤・日本酒・シャンパンと多彩。
香りに合わせてお酒を変えていくスタイルで、料理の印象が毎回がらりと変わります。
「L’eclaireur」は、薪火をただ“焼くための火”としてではなく、“香りを描く筆”として使うレストラン。
ぜひまた来たいお店のひとつです。
ごちそうさまでした!
L'eclaireur (フレンチ / 代官山駅、恵比寿駅、渋谷駅)
昼総合点★★★☆☆ 3.8















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