066/200

恵比寿駅から徒歩わずか2分。雑踏から少し離れたビルの2階に、知る人ぞ知るカウンター鮨店「鮨 十十十(トミ)」は静かに佇んでいます。

R0011942



名前からしてスタイリッシュな雰囲気ですが、暖かみのある木を基調とした内装は、肩肘張らずに鮨を楽しめる絶妙な空気感。
R0011909


カジュアルさと高級感が同居する空間は、デートにも、仕事帰りのひとときにもぴったりです。
R0011910


この店の看板は、大将おまかせの季節を映す17品のコース(19,580円税込)。銀座や麻布の名店で修行を重ねた大将が握る鮨は、赤酢シャリを土台に旬の魚を生かしきる職人仕事。さらに彼の軽妙なトークが加わり、2時間の食事がエンターテインメントのように流れていきます。

R0011912


毛蟹。ほぐされた身は繊細で、口に入れた瞬間に広がる甘みは毛蟹ならでは。しっとりとした舌触りに、ほんのりとした塩気が酒を誘います。

R0011914


身とカニ味噌を合わせて口に運ぶと、濃厚さと上品さが同居した、思わず目を細める一品に。北海道の海の恵みを、恵比寿のカウンターで味わえる贅沢さに感謝したくなる瞬間です。
R0011916



R0011923


中トロは、脂がきれいに溶ける王道の旨さ。
R0011926


鮑肝ソースは濃厚で、日本酒が止まらなくなる危険な逸品でした。
R0011929


ここで遊び心ある一品。外はカリッと、中は柔らかいタコのから揚げ。揚げたての香ばしさが鼻に抜け、鮨の合間に挟まることでコース全体のリズムを軽快にしてくれる。日本酒と合わせれば、つい盃が進む“危険な肴”です。
R0011930


焼き物では神奈川・小柴漁港から届いた太刀魚の塩焼き。ふわふわの身からあふれる脂は、太刀魚の常識を覆すほど。
R0011931


茹でたての車海老は、まだ熱を帯びた状態で大将が豪快に皮を剥き、そのままシャリへ。身の甘みと熱が織りなす幸福感は、まさに出来立てならではの醍醐味。
R0011934


江戸前鮨を象徴する小肌は、酢加減が絶妙。しっかりと旨みを引き出しながらも、口当たりは爽やか。赤酢シャリとのバランスもよく、伝統を守りながら洗練された一口に仕上がっています。
R0011937


コースの途中で登場する茶碗蒸しは、ただの小休止ではありません。
R0011938


しじみのお出汁を効かせた優しい味わいに、上からかけられたあおさの餡が磯の香りを添えてくれる。口の中でじんわり広がる滋味深さに、思わず肩の力が抜けてしまいます。
R0011939


雲丹は、パリッと香ばしい海苔との一体感がたまらない。口の中で海苔がほどけた瞬間、濃厚な雲丹の甘みが広がり、シンプルなのに贅沢。思わず笑みがこぼれる至福の一貫です。

R0011942


九州・対馬から届いた穴子は、ふんわりと蒸されてから握りへ。塩とツメ(タレ)の2種で供され、それぞれの個性を食べ比べできます。塩では素材の柔らかな旨味を、ツメではバランスよくまとまった甘みを楽しめる。産地と職人技の合わせ技に唸らされました。
R0011943


大将の軽快なトークに頬を緩め、気づけばグラスが進む。特別感と親しみやすさのバランスが絶妙だから、デートにも、友人との会食にも、接待にも、どんなシーンにも溶け込んでくれる。

恵比寿の夜を少しだけ特別にしたいとき、「鮨 十十十」は間違いなくその候補になるはずです。ここで過ごす二時間は、鮨と会話、そして空間すべてが調和した、満足度120%の贅沢な体験。次は誰を連れていこうか…そんなワクワクを抱えながら、また訪れたくなる一軒です。


鮨 十十十寿司 / 恵比寿駅代官山駅
夜総合点★★☆☆☆ 2.5