年末に第九を聴く。って昔から憧れていて、
大人になったここ数年は毎年この時期に第九を聴きに行っている。

今年はたまたま、サントリーホールで、
たまたま小林研一郎さんこと、コバケンさんの指揮で、
普段と変わらない第九のはず、だった。





19時。
大きな拍手とともに始まった演奏。
その、コバケンさんの指揮に目を疑った。


私の知っている、いわゆる“指揮者”と言われる方は、
美しく指揮棒を振り、きれいにお辞儀をし、汗ひとつかかずに、静かに帰っていく。
これがイメージだった。

コバケンさんはそのイメージを一新した。
始まるやいなや、
100m走を駆け抜けるように大きく腕を振って大きくパフォーマンスをし、
汗だくになりながら、細いからだを大きく前後左右に動かした。

200名以上はいると思われる楽団と合唱団、
ひとりひとりの役割を理解して、絶妙なタイミングで指示を出す。
そして、指示される側も、期待に応えたいという想いがひしひしと伝わってきて、
息びったりな、ひとつの演奏が創り出される。

ひとつの同じ目標に対して、
全員が想いをひとつに、
全力で向かう。
そして、100%以上の達成感を全員で味わう。

さらに、恐れ多い原曲を驚くほどにアレンジする。
要は、これまでの常識や壁をぶちやぶって、自由に思うように演奏する。
そしてそこには全員がついてくる。

一番驚いたのは、合唱が最も盛り上がるタイミングで、指揮者は客席を向くのだ。
演奏者ではなく、客席を向いて、大きく腕を広げる。
その瞬間に、観客である我々も一体となるのだ。


今日の第九を聴きながら、
こんな組織が社会でできたなら、最高だなと心の底から思った。
あるべきリーダーの姿がここにあるんだなと思った。


そう思うと、涙が止まらなくなり、
この小林さんという指揮者が創り出す演奏をもっと聞いてみたいと思った。



そうやって、ファンや顧客はできていくのだ。
そして、リピーターにつながり、口コミにつながっていくのだ。
そして、そんな人に認められたいと、部下は成長するのだ。



ちょっと酔っ払っているので、明日には消しているかもしれないけれど、
人間の創り出す芸術でこんなに感動したのは初めてだった。

忘れないように、ここにキロクしておこう。

おやすみなさい。